BHPグループ

BHPグループは、世界最大の総合資源企業である。旧称:BHPビリトン。豪BHPと英国ビリトンが2001年に合併して誕生した。そもそもの前身は南アフリカの企業だった。「ジェンコー」という名前だった。

前身は南アフリカ「ジェンコー」

ジェンコーは、かつて英国系資本が支配していた南アフリカで、非英国系の白人民族「アフリカーナー」が作り上げた鉱山会社だった。南アにおいてジェンコーは、つねにアングロ・アメリカンの後塵を拝する存在だった。

シェルからビリトン株を購入を購入

南ア初の普通選挙が行われマンデラ政権が誕生した1994年、ジェンコーはロイヤル・ダッチ・シェルからビリトン株を購入した。ビリトンはオランダ領インドネシアのビリトゥン島のスズ鉱山を開発するため、1860年に設立された会社だった。その後アジア地域を中心にビジネスを展開していたが、1970年にロイヤル・ダッチ・シェルに買収されていた。

ビリトンに身売り

1997年にジェンコーは、自社が保有していた貴金属部門を除くすべての資産をビリトンに移管した。そのうえで、新ビリトンをロンドン株式市場に上場した。こうしてジェンコーは南アの外貨規制から首尾よく脱却した最初の南アフリカ企業になった。

ビリトンと旧BHPの歴史的合併

2001年にビリトンはBHPとの合併を発表する。BHPはオーストラリアのブロークンヒル銀鉱床開発のため1885年に設立された会社だった。1970年代にはアメリカやペルーに進出。1900年代には世界第2位の銅生産量を持つに至った。オーストラリア随一の資源企業だった。

資源業界のM&Aブームの発端に

この合併により、ついにジェンコーはアングロ・アメリカンを抜き去った。BHPビリトンの登場以降、2003年からの資源ブームもあり、世界の資源業界にはM&A旋風が巻き起こることになった。